おまけ。一年後↓




 ようやく仲良くなってきた六人が、夏休み直前に庭先でだらだらしてる様です。


「そういや仙蔵、今年の夏は帰るのか」

「んー、そうだな。節目だし、帰るか」


「え、仙蔵帰るの?!」

「本当か!」

「え?あ、ああ」

「何でだ?バレたのか?!」

「帰っちゃやだよー!」


「…なあ、文次郎、この流れ何だ…?」

「さあな」


「文次郎も文次郎だ、同室として庇ったりはしようとは思わないのかこの薄情者めっ!」

「え、俺」

「仙蔵が狐だろうと何だろうと、僕は気にしないから!大丈夫だから!」

「そうだっ!そんなんでお前を追い出すような奴は逆に叩きだしてやる!」

「は?」

「おい、伊作泣くな、留武器しまえ」

「仙ちゃんって狐だったのか!」


「こへ…そ…は」

「そいつは大変だ、私も留三郎を手伝うぞ!」

「小平太乗るんじゃねぇ!!」



「待て待てお前達…。勘違いしてないか?私は普通に人間だぞ?」



「え、そうなの!?」」」

「そうだとも。文次郎や長次に聞いてみろ」

 証言者1・潮江文次郎

「立花仙蔵はれっきとした人間だ。人間にしては性根がねじ曲がってるが…っをい!あぶね―な仙蔵。大体もしコイツが狐だったとして、四年間も同室してて気がつかないと思うか?」

 証言者2・中在家長次

「人間だ…たぶん」

「たぶんてなんだおい」

「…証拠が無い」



「ほらやっぱり!」

「小平太、目輝いてるねー」

「だって長次が分からないって言うんだから、まだ決まったわけじゃないだろ。鈍感文次郎の証言は当てにならん」

「鈍感とはなんだ」

「お、やるかモンジ、受けて立ってやろう!」

「二人とも座って!」

「駄目だ、あれは止まらん」


「楽しんでるだろう、長次」

「…」



「ああーもう、誰が手当てすると思ってんの!」

「馬鹿はほっとけ。それより、本当に人間なんだな?」

「何回言わせる、私は人間だ」

「なんだー」

「残念そうな顔だな」

「え、いや全然全然」

「…一生の汚点だ」

「はっはっは、まさか四年にもなってンな可愛らしいことを信じてるとはな!」

「うっさい黙れ文次郎!夜中に厠行けなかった貴様が言うな」

「なっ、何年前の話だ!」

「だから座って二人とも!」


「文次郎、二度目やったら新作投げるぞ」

「なんで俺だけ!」




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